みうら整骨院 西葛西院


肩こり

肩こりの原因

 

肩周辺には、「僧帽筋」、「三角筋」、「棘下筋」などの表層筋や、「肩甲拳筋」などの深層筋など大小さまざまな筋肉があります。肩周辺の筋肉は数も多くて複雑であるため、一口に肩こりと言っても、具体的にどの筋肉が凝っているのかを把握できている方は、ほとんどいないのではないでしょうか。また、どんな原因で凝っているのかということは単純にいうことはできません。

なぜなら、肩こりという症状は、肩自体に問題があるわけではなく、結果でしかないからです。マッサージや、運動すると楽になったり、ほぐれたりしますが、それは対処療法であり、結果をごまかし、肩こりの原因については放置しているということになります。凝った症状だけをいくら緩和しても、また凝ってしまうのです。

 

■日本の風習や生活スタイル

一般に日本でよい姿勢と言えば、背筋をピンと張った、まっすぐの姿勢です。歩き方についても同様です。これは着物が美しく見える姿勢ということになります。一方、西洋でよい姿勢と言えば、胸を張った姿勢になります。背筋を一直線に伸ばすのは、首や手足が長く見えて、美しいと感じるかもしれませんが、その美しさと引き換えに、本来備わっている背骨のS字カーブを消失させてしまっており、とても疲労しやすい姿勢になります。

 

■姿勢

人間は重い頭を支えながら二本足で歩いています。その姿勢を支えているのが背骨であり、背骨が緩やかなカーブを描くことで、頭の重みなどが分散されているのです。首や肩に最も負担のない姿勢は、背骨がきれいなS字を描くような姿勢であり、このような姿勢は見た目も美しい姿勢と言えます。すなわち、背骨のS字カーブが保たれた姿勢を取り戻せば、肩こりや腰痛の改善だけでなく、美しい姿勢を手に入れることができるといえます。

片脚に体重をかけて長時間立ったり、座っている時に脚を組んだり、長時間スマホやパソコンの画面をのぞき込むように見るなどの不良姿勢をとり続けると、S字カーブは崩れてしまいます。

 

■筋肉量

肩こりにおいて筋肉量は原因と考えられるでしょうか。もし筋肉量の違いが関係するのであれば、ボディービルダーやアメフトの選手などは一切肩こりがないということになります。しかし実際には、そのようなことはありません。筋肉隆々でも肩こりの方は多数います。すなわち、肩こりの有無は単純に筋肉量の差ではないといえます。したがって、筋力が足りないからといってやみくもに筋トレを行い、筋力をつけても体は良い方向に向うとは限らず、返ってマイナスとなることさえあります。

そのため、肩こりを治すためには単なる筋トレではなく、機能を改善するトレーニングと同時に筋肉を強くするトレーニングが必要となります。肩こりにおいて筋肉量は問題にはなりませんが筋肉を補うトレーニングは肩こりの軽減につながると考えられます。

 

■性別

男性と女性では、どちらが肩こりになりやすいでしょうか。男性のほうが筋力があるため、重力に抗して体を支えるという点では有利でしょう。しかし、男性と女性では体格自体に差があり、支えるべき重量も男女差があります。一般的には男女の筋肉量の差は肩こりに関係しているとは言えないでしょう。

男女で最も差があるのは、月経の有無です。月経の有無というのは、すなわち、女性は男性よりもホルモンバランスが変化しやすいということになります。ホルモンは自律神経と密接な関係があるため、ホルモンバランスが乱れると、自律神経も乱れやすくなります。男女の差は単純に筋肉量だけではなく、体の機能の変化が女性の方が生じやすいために、それに伴い肩こりが生じやすいものと考えられます。

 

肩こりには生活や社会、文化も少なからず関係しており、肩こりの原因は、非常に複雑といえます。原因が複雑であればあるほど、治療することは難しく、簡単に治るものではないといえます。

 

 

 

肩こりの症状

 

・頭痛がする

・めまいがする

・目が疲れやすい

・倦怠感がある

・腕のだるさや手のしびれがある

・吐き気がすることがある

 

首から肩、背中、肩甲間部など肩周辺の筋肉が凝っている症状が肩こりです。たかが肩こりと思う方もいるかもしれませんがと、肩こりはさまざまなつらい症状の原因のひとつとなりえます。自律神経の調子が悪くなることにより、上記のような症状が起こってきます。

 

 

 

肩こりの対処法

 

背骨を横から見たときに、首の部分で前方へ湾曲し、背中で後ろに湾曲し、腰でまた前方に湾曲する、緩やかなS字カーブを描いている状態が正しいS字カーブといえます。ただし、骨の形には個人差があるため、一般的な良い姿勢が全ての人に当てはまるとはいえません。その人にとって快適で疲れにくく、肩や腰の痛みが起こりづらい姿勢が、良い姿勢といえます。

背骨が美しいS字カーブを描くためには、以下のことに注意してみましょう。

・うつむき加減の姿勢は、首や背中に負担がかかるため、デスクワークの際には、パソコンや書類の高さを調節し、目線は前方へ向ける

・あごが上がっていると、頭が前に出て猫背につながるため、あごは軽く引く

・軽く胸を張る(張りすぎないように注意する)

・お腹やおしりにだけ力を入れて、基本的には全身に力を入れ過ぎないようにする

・意識的に肩甲骨を動かす

 

セルフマッサージは効果的です。

・鎖骨マッサージ

鎖骨の下にあるくぼみを押さえて、肩を上下させたりくるくると回したりする。胸部一帯にある筋膜がほぐれて肩がすっきりします。

・肩マッサージ

腕の力を抜いて、肩のほぼ中央、筋肉が盛り上がったところのツボを反対側の手指で押さえ、ゆっくり深呼吸を行う。息を吐くときに肩井を押す。再度、ゆっくり深呼吸を行い、ツボを押しながら息を吐き、腕をゆっくりと前に上げていき、真上まで上げて後ろへぐるりと回す。ツボの周囲を軽く6回ほど揉んで筋肉を柔らかくする。

・首まわりマッサージ

首を横にひねった時に、ひねった方向の反対側の首すじの鎖骨から耳の下に出る筋肉の下のほうを反対側の親指と人差し指で軽くつまむ。深呼吸したら、息を吐くときにつまんでいる部分を引き上げる。少し上に移動し、筋の真ん中あたりをつまみ、同じように深呼吸をして、息を吐くときにつまんでいる部分を引き伸ばす。次に、さらに上、エラのあたりも同様にマッサージする。最後に筋の下から順に軽くつまんで離す、という動作をくりかえしながら上へ移動し、エラの後ろまで続ける。

 

血行をよくするには、温めることも有効です。温湿布を使用したり、整形外科や整骨院で治療器を使用して音波などを使って患部を温めましょう。

 

肩こりが出ているときは、肩周辺の筋肉が緊張し、血流も悪くなっています。この筋肉の緊張をほぐすために使われるのが筋弛緩剤です。筋弛緩剤は、手術の際にお腹の筋肉を完全にゆるめて手術をやりやすくする目的でも使われている薬です。肩こりの場合はこのような完全な筋弛緩は必要でなく、効果が緩やかなものが使われます。

 

肩こりには、ほかの病気に関連して発症するケースもあるため、つらい肩こり、頭痛、手や腕の痛みやしびれ、口が開きにくいなどの場合は、病院での検査を受けましょう。病院にかかる場合、整形外科や神経内科、脳神経外科などで肩こりやそれにともなう症状を詳しく検査することが可能です。

 

つらい肩こりは、整骨院などに通院し対処療法を行いながら、原因を探り対処していくことが大切です。