みうら整骨院 西葛西院


むちうち症

むちうち症の原因

 

むちうち症は、主に交通事故などにより首に不自然な力が加わり、首がムチのようにしなることが原因で起こります。交通事故だけではなく、スポーツなど、首に急激な負担がかかった時にも発症します。

 

人間の頭の重さは、体重の約10%程度と言われています。体重が50kgの人であれば頭部は約5kgあり、それを首だけで常に支えている状態になります。交通事故の瞬間は、両手はハンドルを強くつかみ、足はブレーキを踏み、身体はシートベルトで固定されます。その際、頭部だけは固定されていないため、衝突や急停車により前方に大きく振られ、首はその衝撃を吸収しようとして前方に大きくしなります。またその反動で後ろに反り返り、波打つように頸部に過度な負担がかかることになるのです。

 

むち打ち症は、大きな衝突事故だけではなく、低速走行中の事故や軽い追突事故でも発症することがあります。身構えていない状態で衝撃を受けることにより、体重の約10%もある頭部を支える首に大きなダメージを与えてしまうのです。軽い事故だから大丈夫と病院に行かないで済ませると、後々症状が出てしまい、いつまでも苦しむことになってしまう可能性があります。交通事故に遭ってしまった場合は、必ず医師の診断を受けるようにしましょう。

 

 

 

むちうち症の症状

 

・病院では、骨には異常がないと診断されたが、症状が一向に改善しない

・症状は長期間にわたっており一進一退である

・最初のうちは、痛む場所があちこちに動くような気がする

・少し運動をしたり、仕事をしたりすると症状が悪化する

・天候や気圧の変化、寒さや湿度などにより体調が影響を受けやすい

・夕方や朝方に痛みや引きつれが増してつらい

・集中力が低下し、長時間の仕事が困難である

・頭痛、だるさ、無気力感、全身の疲労感、不眠など体調が狂う

・いったん落ち着いたと思った症状が、出たり消えたりと落ち着かない

・首の後ろ、前部、側面、頭部、頚椎、腕に痛みがある

・首、肩、背中が凝る、または重い

・首が回らない、または動かすと痛い

・めまい、目のかすみ、目の疲労感、吐き気などの症状がある

・握力低下、足や指先のまひがある

 

一般的にむちうち症はレントゲンやMRIでは異常を検知できません。そのため、つらさをなかなか理解してもらえません。あるいは、自分自身も不安に感じることがあるでしょう。交通事故損傷、いわゆるむちうち症の可能性のある方や、骨に異常はないが不調が続いており不安を覚えている方で、上記のような症状がある方は、むちうち症が原因かもしれません。

 

むちうち症による頚部痛や頚部周辺の不快感は特に代表的な症状の一つです。交通事故には様々な要因があるため、その損傷部位は一定ではなく、筋群、椎間板、椎間関節や後根神経節など、さまざまな損傷があると考えられます。しかし、その中でも特に椎間関節がその発症部位として最も頻度が高いといわれています。交通事故の場合、衝撃を受けた瞬間に椎間関節が非生理的な動きをするということは事実ですが、具体的にどのような損傷を引き起こすのかは未だに明らかにはされていません。また、むちうち症の特徴として事故直後には頚部痛が出ないにもかかわらず、数時間あるいは数日後になって症状が出てくることがあります。

 

 

 

むちうち症の対処法

 

むちうち症の治療は、まず整形外科で検査を受けることから始めましょう。整形外科では、交通事故との因果関係を明らかにし、診断を受けることが最も大切です。交通事故に遭うと事故当事者は興奮状態にあり、痛みを感じる感覚が麻痺している場合もあります。そのため、むちうち症は、事故直後に痛みや不調を感じないことが多いという特徴があります。数日経過して、首の調子がおかしい、やたらと肩が凝るなどの症状が出てむちうち症を疑い、初めて病院に行って診断を受けたとしても、交通事故との因果関係が疑われることがあります。交通事故による損傷であることを示す診断書がないと人身事故として扱われず、むちうち症に対する損害賠償請求ができなくなる可能性もあります。交通事故に遭ってしまったら、自覚症状がなくても必ず直後に病院へ行き、医師の診断を受けるようにしましょう。

 

症状にもよりますが、早い時期から治療を開始して必要な施術を一定期間、的確に行うことにより、むちうち症の症状や後遺症に悩まされないで済む方も多くいることも事実です。急性期には、炎症や過緊張を取り除く初期の治療を行うことが大切です。次に筋肉の表層からはじまり、筋肉の深層に至るまでの筋全体の回復のための治療をしていきます。その後、関節の可動域の確保や、筋肉・関節・神経・血流を含む全身のバランスを整え、自律神経系のバランスも整えていきます。このように、じっくりと損傷の根本まで治すことこそ、むち打ち症の根治療法となり、後遺症を最小限にとどめることになります。

 

 

 

むちうち症の治療

 

むちうち症の治療は、整形外科または整骨院・接骨院で行われます。まず交通事故直後は医師のいる整形外科で診断を受けるようにしましょう。むちうち症の症状には、交通事故との因果関係が難しい場合があり、最初に交通事故に遭ったことを医師に申告し、診断を受けておかないと、後で症状を訴えても事故による負傷だと認められない、または示談交渉において疑われる場合があるためです。

 

整形外科では、骨折や捻挫と同様に、むちうち症の治療も行います。しかし、あくまでも個別の症状の改善を目的とする治療であり、痛み止めと湿布をもらうだけということもあり不満を感じてしまう可能性もあります。しかし、交通事故による負傷をしっかりと証明するためには、レントゲン検査やMRI診断が可能な整形外科での診断が必要です。整形外科で診断を受けた後は、むちうち症に詳しい整骨院・接骨院に転院して治療を続けることがおすすめです。

 

むちうち症の治療は、柔道整復師が行う整骨院・接骨院で行う場合でも、もちろん保険は使えます。柔道整復等の費用(免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が行う施術費用は、必要かつ妥当な実費)は、自賠責保険の保険金の支払い基準に規定がなされており、整骨院・接骨院の費用は加害者に請求することが可能です。

 

ただし、むちうち症の治療が長引き、後遺障害の申請を行うためには、整形外科の医師が書く後遺障害診断書が必要です。整骨院・接骨院では後遺障害診断書は書いてもらえないため、最初に受診した整形外科とも良好な関係を保っておくことが大切といえるでしょう。

 

交通事故が原因となって起こる傷害のうち、約半数がむちうち症と言われています。その一方で、むちうち症に関する情報として、治らない、保険が使えない、後遺障害として認定されない、などと誤った情報が流れ、実際に事故に遭ってむちうち症の症状があるにも関わらず、十分な損害賠償も得られず長期間苦しんでいる方が多いという話もあります。正しい情報を得て理解をして、長期間にわたりがちなむちうち症の治療を行うことが大切といえます。